恋空予報
第19章 君に精一杯の愛を
「たーだいまぁー。」
「お邪魔しまぁーす」
雅紀の匂いだぁーって
リビングのソファーに
ダイブする翔ちゃん。
玄関の靴箱を見ても、
ニノの靴はなかった…。
てことは、
どこか行ってるんだよね?
「雅紀、ビールある?」
「あると思うよ。
ちょっと待ってて。」
「あ、淡麗がいいー。」
「はーい。」
コップとビールをもって、
微笑んでる翔ちゃんの横に座った。
「かんぱーいっ」
「はーい。」
翔ちゃんはごくごくと飲み干して
おかわり、だって。
「早いー!」
「ふふ。」
翔ちゃんの頬を赤く染まり、
ぽってりした唇はお酒で
少し濡れていた。
その唇に誘い込まれるように、
俺は翔ちゃんとキスをしていた。
「んふ…ふぁ、」
舌を入れると、
淫らな水音が上がる。
二人の息遣いと
淫らな水音…。
興奮する。
…これは浮気なんかじゃない。
浮気なんか…してない。
そう自分に言い聞かせて、
翔ちゃんの唇を味わった。
「雅紀…キス上手。」
にこっと微笑む翔ちゃん。
「ふふ、そう?」
「うん。」
翔ちゃんはコップを傾けて、
ビールをまた飲んだ。
…結局、酔い潰れた。