テキストサイズ

恋空予報

第19章 君に精一杯の愛を

相葉side



「…き、…さき、」


誰かに揺さぶられてる気がして、
目を開けたら翔ちゃんの顔。


「ぅわぁぁぁっ!」

「うぉっ!」


俺の声に驚いて、
翔ちゃんが短い声を上げた。


「び、びっくりしたぁ…。」

「びっくりしたのはこっちだわ!」


そう言って、俺の頭をぽこっと
叩く翔ちゃん。


時刻は四時。


……って、えええええ!?!?


「や、やばいよぉ…。」


いつもはこの二時間半後に起きる。


「俺もやばい…。
潤に連絡いれてない…。
あー、もうどうしよ。」


そんなことを言いながら、
頭を抱える翔ちゃん。


「と、取り合えず帰る!」

「あ、うん!
じゃあね!」

「おう!」


…帰っちゃった。

シーンと静まり返るリビングに
俺は一人。


ニノは帰ってきたのかな…。

玄関の靴箱を見たら、
ニノの靴がきちんと入ってた。


…よかったあ。

ちょっと安心してたら、
寝室からがたんって音が聞こえた。



「…ど、泥棒…?」



そろりそろりと近付くと、
寝室のドアが開いた。



「ぎゃぁぁぁっ!」

「…んだよ。」



…あ、ニノか。


眠たそうに目を擦りながら、
俺を睨み付けるニノ。


「…馬鹿。」


それだけ言って、
ニノはリビングに行っちゃった。


え…?え!?



「に、ニノぉ」

「こっちくんな。
うざったい。」



…どうしよ。

俺が昨日翔ちゃんを
勝手に呼んだから?


…そういえば、後片付け、
してなかったのにしてあった。

ニノが…してくれたんだよね?



ニノの小言も嬉しい俺は
かなり重症なんだろうな。


「…なに。」


キッチンに立ってるニノに
ぎゅっと抱きついてみた。


「触んないで。」


そう言って、俺の腕から
するりと逃げるニノ。


…むー。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ