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「母さん、そこのコンビニに
よくいるから。」

「知ってる…。」

「あら？バレてたの？」

「…そりゃあ、名札見りゃ…ね。」

「あ、そうか。」



母さんとこうやって顔を合わせて
笑い合ったのはいつぶりだろう。


幸せな気持ちに
満たされていった。


「…和？」

「ん？」

「相葉さんのこと、
ちゃんと支えてあげてね。」

「…うん。」


母さんの優しさが
痛いほどわかる。

優しくて頼りになる母さん。


ずっと捨てられてたと思ってた。

…違うんだよね。


母さんの言葉に
嘘はないから。
嘘は大嫌いな人だから。


「…和、相葉さんはいい人だから。
一生ついていきなさいよ。」

「わかってるよ…。」


また泣きそうになって、
母さんの顔を見ないようにした。

母さんの顔を見たら
もう思いが溢れそうで。


溢れ出しそうな気持ちを
ぐっと堪えた。


「コンビニ、家から
近いんだからさ…
また来てよ。」

「ふふ、じゃあ
また来ようかしら？

…和、男の子に興味があったんだね。」

「なっ…悪いかよ。」

「いいえ。
全く変に思わないわ。」


…よかった。

ほっとしていたら、
背中に温かい温もり。


「ちょ、雅紀！」

「おばさん、俺、ニノの
こと幸せにするから！

絶対泣かせないって約束しますから！」

「ふふ、我儘な息子だけど、
よろしくね？」

「はいっ！」


雅紀は俺から離れて、
帰り支度を始める母さんに
ついていった。

俺も母さんを見送った。



「…行っちゃったね。
おばさん…。……ニノ？」

「うるさい。」

「…ふふ。よしよし。」

「子供扱いっ…すんなっ！」

「なーに泣いてんの。もー。」


俺は雅紀に抱きついた。

なんか寂しかったから。


「ニノ、ちゅーしよ？」


雅紀が俺の顔を持ち上げて、
優しいキスをくれた。


「ん、ふ…」


雅紀の優しさが愛情が、
俺を満たしてくれる。