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恋空予報

第1章 桜

二宮side


潤くんが桜の木をどうしても
見たいって言ったから、
仕方なく、ついていった。


「和、綺麗だね…」

「あぁ、うん。」



正直、どうでもいいかな。

桜って、散るじゃん。

いや、花はなんでもそうなんだけどさ…

なんか、儚い。


「わー!翔ちゃん、桜、綺麗だねー!」



潤くんみたいに、ばかデカイ声。

声のした方を振り返ったら、
すらっとした長身の男と、
その横で微笑んでる男。


なんか、仲良さそうだなって思って、
その二人を観察してた。


そしたら、長身の男が、
俺の方を指差したから、
慌てて、視線を潤くんに戻した。


「?
和、どうした?」

「あ、ううん。なんでもないの。
それよりさ、そろそろ、いい?」

「え、ちょっと待って。
あと、五分。」


潤くんが何を言っても、
全然反応しなかったから、
俺も桜を見てた。


でっけぇなあ。


すげぇな…


よくここまで、保存できたよな。



そんなこと考えてたら、
後ろの方で、どさっと、音がした。


音のした方を見ると、
長身の男が、つまづいて転んでた。

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