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恋空予報

第7章 緊張

相葉side



「お前…ばかだな」


ニノちゃんがものすごい顔で
俺を見ている。


…だ、だってぇ……



「俺は、ニノちゃんみたいに
頭良くないもん……」

「俺は相葉みたいに
動けないよ?」


……慰めてくれてるのかな。


なんか、嬉しいかも。



「あ、やべ…」



ニノちゃんが時計を見て
ぽそっと呟いた。



「なにがやばいんですか?」

「あ、いや、妹の迎えの時間だから…」



そっか。

ニノちゃん、妹さんがいるんだもんね。

……俺、そろそろ帰ろうかな。

迷惑だよね。



「ニノちゃん、俺そろそろ帰るね」

「え?もう帰んの?」


寂しそうに俺を見つめる
ニノちゃんの丸い目。


…う…っ、そんな目で見ないでよ。



「うん、そろそろ帰ろっかなって」

「なんで?」

「……えっと、「理由がないなら帰らせない…」



ニノちゃんが俺を抱き締めた。


伝わる温もりが心地いい。


ニノちゃんの心拍数が
どんどん上がっていく。



「帰ん…ないで。
一人にしないで…」



ニノちゃんが潤んだ瞳で
俺を見つめてくる。


…そんな目しないで。


こっちまで寂しくなるよ。



「妹さんのお迎え行くんでしょ?
俺、帰るよ。明日も会えるんだからさ」

「…うん。」



ニノちゃんは俯いたまま、
返事をした。



「じゃあね、また明日」

「ん…またな…」



ニノちゃんは無理して明るく笑ってた。



…あんな顔、させたくなかった。

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