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イケメン夜曲 ~幸せの夜曲~

第6章 思惑



「!!!」


クリスが驚いて目を丸くすると同時に、戸口から女性の姿が飛び出した。それはまさにロザリオの持ち主だった。

クリスは彼女に声をかけようとしたが、パニックのあまり彼の姿も目に入っていない様子で、テリザは怯えたように駆けていく。

彼女の態度を訝り、クリスは屋敷の中に目を向けると、廊下の角に、ちらりと男がこちらを向いて舌打ちを打ち、踵を返して走っていくところが見えた。

異常を察知し、クリスは彼女の行ってしまった路地の方に振り返った。


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