イケメン夜曲 ~幸せの夜曲~
第6章 思惑
「ここから攫った女はどこにやった。」
「し、知らない。」
大きく見開かれた目で、男はどもった。
瞬間、クリスの指が引き金にかかり、カチッと小さな音を立てた。
「ひ、ひぃ…!」
「まずは手から行くか?抵抗されても面倒だしな。」
クリスが男の背中に縛られた手に銃口を押し当てると、男はあわあわと訳のわからない声を出して、逃げようと身をよじった。
「…それとも膝か?」
「や、やめろ!俺は知らない!」
「ほざけ。」
クリスは鼻で笑うと、引き金に書けた指をぴくりと動かした。
「バン。」
「ぎゃあああああああああ!!!!!」
男は断末魔のような叫びをあげたが、クリスは素早く銃身で彼の頭を殴りつけた。
「いっ…」
「口で言っただけだ、馬鹿が。」
男は安堵の息を吐き出すこともできず、ただ震えながらクリスを見上げた。