イケメン夜曲 ~幸せの夜曲~
第6章 思惑
「クリス…昔のよしみだ。見逃してくれ…….」
(え?)
ラッドは思わずちらりとクリスを見たが、クリスは物怖じせず男の脚に銃口を当てたまま冷たく言い放った。
「何が昔のよしみだ。俺を殺そうとした奴らが。」
ゴリ…と気味の悪い音を立て、クリスの銃は男の肩に押し当てられた。
「あの女はどこだ。」
「知らないと言っただろ!」
クリスは静かに唇を開いた。
「3」
「やめてくれ…」
「2」
男は銃口をよけようと体を動かしたが、クリスの靴底が降ってきて彼を踏みつけた。
「うっ…」
「1…」
ガチン、と銃口が押し当てられた。