イケメン夜曲 ~幸せの夜曲~
第7章 雨の音
ローガンとユアンは、市議会からの帰り道を行っている途中だった。
今日のように夜中になることは流石にあまりなかったので、ローガンは終始不機嫌だった。
くだらない内容ばかりだ、問題を取り上げるぐらいなら、あの程度の者は首にしろというローガンを冷静に諫めるのがユアンの役割だ。
ようやく終わったときには、2時をまわっていた。加えて、雨も降りだした。
ローガンは馬車から空を見上げ、眉間に皺を寄せる。これほど上品にその仕草ができる人は、ローガン=ブラッドレイ以外にはそういないだろう。
馬車の中は、静かだった。
しかし帰ったら、ローガンはますます不機嫌を発揮させ、使用人たちを震え上がらせる。
もう慣れたものだが、これからそれを抑えなければならないことを考えると、ユアンは今から少々疲れてしまった。
そこに、ローガンは獲物を見つけたような目で外を見たのだ。