イケメン夜曲 ~幸せの夜曲~
第3章 舞踏会
「貴女は......」
「...っ」
彼は昨日と同じように、まじまじとテリザを見つめた。
(昨日会ったことを思い出されたら...部屋に入ったことを咎められるどころか、貴族の令嬢じゃないってことまでばれてしまう...!)
焦りながら顔を背けると...次の瞬間、ローガンがテリザの顎を人差し指で持ち上げた。
怯えて震えるテリザは必死で顔を背けようとしたが、彼はそれを許さない。
指先が優しく顎をくすぐり、言い知れないざわめきが身体を走る。
「見かけない顔だが、どちらのレディかな?」
彼は驚くほど丁寧に彼女に問いかけた。
言葉を失くすテリザを、ローガンが危険な眼差しで射すくめた。
「私の部屋へひとりで忍んでくるとは......可愛がられたくて来たのか?」
彼は楽しむようにテリザの顔を眺め、嗜虐的な笑みを浮かべた。
「それとも......罰して欲しいのか?」