テキストサイズ

イケメン夜曲 ~幸せの夜曲~

第3章 舞踏会


「......。」

バルコニーで目隠しを解くテリザの姿を見て、彼はすっと柱の陰に身を隠した。

彼女は辺りを見回し、そして寂しそうに目を伏せた。

彼女のふわりとした髪の毛の甘い香が、まだ身体に残っている気がした。

ホールを見渡す彼女の、愁いを秘めたような瞳の色が、なぜか記憶に刻まれていた。


彼女がリュカに見つけられるのを認めると、彼は踵を返してホールをあとにした―――


ストーリーメニュー

TOPTOPへ