イケメン夜曲 ~幸せの夜曲~
第3章 舞踏会
「これも何かの巡り合わせだし、しばらくうちの子にならないか?」
「え......?」
意味をわかりかねて、テリザは僅かに首を傾げた。
「我がクロムウェル家の一員として...令嬢を続けてくれないかな?当然ずっととは言わないし、普段は 『ブルーベル』 でウェイトレスをしてもらう。だが...敵の懐に潜り込む時には、君のような可愛いレディが味方だとすごく助かるんだ。」
なんでもないことのように話すラッドだったが、テリザは話についていけず、ただ目を瞬かせていた。
「俺が無事にローガンのカジノで目的を果たしたら、君は自由の身だ。だから......」
不意に、ラッドが真剣な表情でテリザの手を握った。
「昼はウェイトレスとして...夜はクロムウェル家の令嬢として、俺に協力してほしい、テリザ」