イケメン夜曲 ~幸せの夜曲~
第4章 皆との距離
「そこに住んでいる男には…関わらない方がいい。」
(住んでる男の人…?神父様、かな。)
「あの…どうしてもだめ…?」
困って見上げてくるテリザを見ていると、アレクは根負けしたように肩をすくめた。
「…仕方ねーな。」
「教えてくれるの?」
「…ああ。だけど、そいつとは、なるべく関わるな。」
「『そいつ』 …?」
テリザは聞き返した。
「クリスって男だ。いいから、聖餐式でもなんでも、参加したらとっとと帰れ。」
アレクはそう言いながら、伝票の裏にざっと地図を描いてテリザに渡した。
「ありがとう!」
紙を受け取ってポケットにしまうと、持ち物をまとめてドアに向かう。
「おい、今から行くんじゃないだろうな?」
アレクの声が追いかけてきて、テリザは振り返った。
「まさか。ちょっと買い出しに行ってから帰るよ。それじゃ。」
ひらひらと手を振ってテリザが出て行った。