イケメン夜曲 ~幸せの夜曲~
第4章 皆との距離
テリザはクロムウェル邸とは反対の方向に歩き出した。
一人で練習をしておきたいから、紅茶葉を買おうと思っていた。この時間なら、ぎりぎり店は開いているはずだ。
幸い、交差点の食品店はまだ開いていて、テリザは急いで数種類の茶葉を買ってから外に出た。9月頭の冷たい風が心地よく、テリザは夜気を吸い込んだ。
(あ…そういえばこっちの方向って…)
店からの明かりにかざしてアレクからもらった地図を見ると、ブルーベルよりもここの方が教会に近いようだ。
(アレクにはああ言ったけど…ちょっと、行ってみようかな。)
いよいよ暗くなってきているが、そこまでは遠くないようだから、とテリザは夜道を歩いて行った。