イケメン夜曲 ~幸せの夜曲~
第4章 皆との距離
「テリザ、お帰り。遅かったな。大丈夫だったのか?」
リビングルームに入ると、ソファーに腰かけていたラッドは立ち上がってテリザに歩み寄った。
「はい、ただいま帰りました。すみません…ちょっと買いものに行っていました。」
「そうか。あまり心配させるなよ」
ラッドはテリザの頭にぽんと手を乗せた。
「ぁ……」
(ラッド様の手...安心する…。)
他の男の人とは違う。
あたたかくて、優しい手の感触に、テリザは子犬のように目を細めた。
思えば、自分も、8歳下の妹の頭をなでるくせがあったが、こんなに安心することだったのだと今知った。