カラダも、ココロも。
第2章 目覚めと、夕暮れ
二人とは帰りの道が反対だったため、店の前で挨拶を交わした。
「ではおつかれさまでーす」
「お疲れ様です。どうか気をつけて」
まるで今生の別れの様な祐佳ちゃんの挨拶に、笑みがこぼれる。
「あはは、おつかれさまです」
お互い手を降って別れる。
(さてと。ラーメンラーメン!)
背伸びをして歩き始める。
そのとき、私の横を通り過ぎた車。
『一体何人乗るんですか?』ってくらい物凄く長い黒塗りの車が通り過ぎた。
(ベンツってやつかな?)
思わず目で追うと、『select』の駐車場に入って行った。
こういう店ってヤクザが繋がってるって言うけど、まさかうちの職場もなんて。
(ま、私には直接関係ないけど、ね。)
スグに向きを変えて、ラーメン屋に足を進めた。