カラダも、ココロも。
第2章 目覚めと、夕暮れ
「藤井さま、到着致しました」
さっとドアを開けられる。
成る程。”裏裏口”はこうなっているのか…。
店員達が使っているのはただの裏口。
しかしこの”裏裏口”は社長と使用人にしか使われていない、と予め受けていた説明の通り、
金閣寺かよ!ってなくらいにビカビカの”裏裏口”。
ガラスまで黄色で、もう下品を越えていっそ清々しい。
(たかが裏裏口のくせに気合い入れすぎなんだよ)
悪態をつきながら中にはいると、ズラリと両脇に並んだ使用人が私を向かえた。
その使用人誰を見ても、ビシリとスーツを着こなし、そつがない。
「「「ようこそお越し下さいました、一臣さま」」」
…いや、私普通の大学生なんですが。