カラダも、ココロも。
第4章 眞鍋 昌巳
…本気、なの…?
私、買われちゃうの…?
ズン、と重力が倍掛かってるみたいに身体が重い。
ほんの数十分前は買われたら自分に自信が付くっておもってたのに…
知らない男に、しかも、私の事を愛していない男に抱かれる…って思ったら、竦んでしまった。
「…なーんて、ね。」
ぱっと離される手。
「俺、今日ユキさんと初対面じゃないですか。
魅力がどうとか、そんなのわかりませんよ。」
そっか、彼とはまだ初対面
まだ私の事しらないものね…
(良かった…)
ホッ、としたら視界が歪んだ。
「えっ」
眞鍋さんはびっくりした顔をする。
あっ…涙!?
なんで?恥ずかしい…!
「ユキさん、こっちむいて」
恥ずかしくて俯いた私の頬に触れ、眞鍋さんがハンカチでそっと涙を拭いてくれる。
頬を拭いている彼と目が合うと…、
眞鍋さんは、はにかんだ笑いを浮かべた。