カラダも、ココロも。
第2章 目覚めと、夕暮れ
店長は職員用のエレベーターを指差す。
ここから数メートル離れた所だから、まあイケるかも。
いいですよ、と返事したとき、店長が私をみて「あっ!」と眉を寄せた。
「ちょっと!!何で上着てないの!?」
「いえ…着替えの途中だったので」
「…あら、遠回しに私のせいになってない?」
「えっ!?」
違います、違いますと否定すると、店長がぷっと笑った。
「冗談よ。ありがと。これ羽織ってなさい」
そう言って私の肩に店長がたジャケットを被せる。
こういう優しい所にドキッとしちゃうのだけど…。
シブくてカッコいいのに、オトコしか駄目だなんて。ちょっとザンネン。