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距離

第1章 距離3

Nside

ホントにこんなつもりじゃなかった。翔ちゃんがあまり自分を責めるから。悪いのはあの女なんだ。
何を言ってもフォローにならないし・・・
自分の気持ちもぐちゃぐちゃになってしまい、抑えきらず告白してしまった。

もう戻れない、もとの関係にはなれない。気を使って、考えるとは言ってくれたけど、ノーマルな翔ちゃんに男と恋愛なんて無理なんだよ。

こんな時でも翔ちゃんは優しい。二股かけられて別れたばかりで一番悲しいはずなのに、俺を抱きしめて、頭を撫でてくれる。それだけで
俺はだけでもう十分だわ。

しばらく二人で湯船で泣いた。
そのあと、無言でお互いが順番に体を洗い、お風呂を上がった。

気まずい雰囲気のまま、それぞれ部屋に入った。

一人で広いベッド、普段なら家に何も思わないのに、翔ちゃんが家にいると思うと落ち着かない。

冷静で通っている俺が好きな人の前ではボロボロだな・・・
バカだな俺って・・・
そう思って考えているうちに寝てしまった。

朝、起きるとテーブルに置手紙があった。
「ニノ、昨日はありがとう。
先に帰る。ニノと話せてちょっと気持ちが楽なった。次の現場で。」

昨日のことがまるでなかったような静かな家。

俺は他のメンバーと同様に翔ちゃんを見れるようにしよう。

プロだもんね。いつもの俺に戻ろう。昨日はどうかしてたんだよ。

今日は一人でドラマの撮影、セリフを慌てて覚えて現場に向かった。









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