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幻想世界☆

第12章 寄り添う心②

ニ「千賀が、宮田と一緒にこっちへ来るってさ」

北「はっ?あいつらを呼ぶなら、藤ヶ谷を呼んだ方がいいじゃん」

ニ「ガヤはいま、仕事中だろ」

北「まっ、そうだけどよ」



数分後―



北「お前ら早いなぁ」

宮「ちょうど2人で一緒にいたからさ」

北「ふーん」



チラッ、チラッとニカの眼が千賀の首筋を気にしている。

つられて俺も眼を向ければ

ポツポツっと、赤い斑点が2つ見え。

そういえば、夢の中のタマの首筋にも同じものがあったっけ。

それは、昨日の夜の話し。



玉「ミツ、風呂に入ろ自慢のピンクの髪が泥で汚れてるよ クスッ」

北「別に自慢してねぇよ、藤ヶ谷が勝手に」

玉「いいからいいから」



グイッと引っ張られた手、その拍子に見えた首筋。



北「それなんだわ?」

玉「えっ?あっ…なん‥でもない…よ」



焦ったように手で覆い隠しあれはいったい。

それから夜、藤ヶ谷がやって来て。



藤「ったくいくら心配だからって皆でいてもしょうがないじゃん」

千「でもガヤさん、これって」

藤「キッ」



と、何か言い掛けた千賀をジロッと睨みつけ。

どうしたんで?



宮「俺たち話しがあるんだガヤさん分かってるよね」



負けじと宮田が言ったら。



藤「北山、ニカ、お前らはもう帰れ」

北「はっ?なにを言ってるんだわ」

ニ「そうさ」

藤「いいから、後は俺達に任せ」

ニ「けど」

北「やめとけニカ」

ニ「ミツ」

北「そうだな大勢でいてもしょうがないし、フッ」



俺には、分かったんだ。



北「何かあったら連絡してくれ」

藤「あぁ、フッ」



ガチャ、バタン!

こいつら俺とニカには聞かせたくない話しがあるんだって。

そして、この時から。



北「ちょっと飲んでくか」

ニ「うん、ニコッ」



徐々に俺も、あの夢の中でのことに疑問を抱くようになっていく。

自分たちを取り囲むものがなんなのかを知りたくて。




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