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幻想世界☆

第16章 壊れてく予感

・二階堂side

朝、目を覚ましたらミツの姿はなく。



ニ「ミツうぅーどこ?」



捜すと、浴室からシャワーの音がしてさ。



ニ「ここかな?ミツいるのいるなら返事をしてちょ」



けれど、声を掛けても言葉は返って来なくて。



ニ「開けるよ、いい?」



が、そう言った次の瞬間に



北「入るな!」

ニ「ミツ?」

北「頼む、すぐに出るからよ」

ニ「わか…っ‥た」



様子がおかしい、そうピーンとくる。

暫くするとガチャっと扉が開き。



北「悪かったな、さっきは怒鳴ってしまい」

ニ「どうか…」



言い掛けて口をつぐむ。



北「ニカ、実はさ」

ニ「なん…で」



首筋に、赤い斑点があったから。



ニ「どうして!」

北「あ、話し」

ニ「ガヤは手を出さないって言ったじゃん!」

北「違うんだニカ」

ニ「約束したのに、一緒に護るって」

北「聞いてくれ」



そのとき、チャイムが鳴り



ニ「ガヤだ、きっと」

北「‥‥っ」

ニ「俺が出る」

北「ニカ!」



案の定―



藤「おまえ昨日も泊まっていたのか」

ニ「嘘つきガヤの嘘つき」

北「やめるんだニカ」

ニ「だって、だっ」

北「俺が、いいって言ったんだわ」

藤「北山」

北「だから、藤ヶ谷を責めないでくれ」

ニ「ミツ、くっ」



そりゃ、ミツはガヤが好きなんだし。

いつか2人はって、俺だって思ってた。

でも…



藤「言い訳はしない」

北「藤ヶ谷」

藤「だが、護ろうと言った気持ちに何ら変わりはないそれだけは信じてくれ」

ニ「‥‥‥」



信じてるよガヤ、だけど。



ニ「俺、帰るね」

北「ニカ」

ニ「ミツに話があって来たんだろ?」

藤「あぁ」

ニ「だったら、俺がいると邪魔だろうしさ」



ガチャ!



北「ニカ」

ニ「大丈夫だよミツ、だいじょうぶ ニコッ」

北「‥‥っ」



俺は、精一杯の笑顔を向けミツの部屋を出た。

これで独りきり、自分だけパートナーがいない。



ニ「ふっ」



電車を乗り継ぎ何の目的もないままぶらりと歩き回って。

ふと、足を止めた古ぼけた屋敷の前。

あれ?なんだか見たことがあるような…



「二階堂、二階堂」



えっ?だれ俺の名を呼ぶのは。




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