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幻想世界☆

第22章 甦った記憶②

それから俺は太輔とミツの部屋へ行き。



北「えっ、皆して集まってるのズルいぜ横尾さん」

藤「バカわたは何もしていないじゃん呼びに来てくれただけだし」

北「あっ、そうやってすぐ横尾さんの肩を持つんだ」

藤「悪い?」

北「藤ヶ谷は、ほんと横尾さんが大好きだよな」

藤「当然でしょ ニカッ」

北「ふーんだ」

横「ほら痴話喧嘩していないで行くよ、みんな待ってる」

北「ほーい」

藤「ふっ」



でも、この2人ほんとうに良かった。

ニコッと微笑めば、太輔と眼が合い。



藤「わた」

横「なに?」

藤「ありがと」

横「なんだよ急に?」

藤「いや、いろいろとさ」

横「別に、俺はなにもしていないし」

藤「言いたかっただけー」

横「クスッ」



ふふふって笑う太輔。

その笑顔の裏にある苦悩を俺は知っている。



横「ねぇ」

藤「んっ?」

横「ミツに、ちゃんと」



と、そのときだった。



北「横尾さーん藤ヶ谷あぁ何やってるんだよ早く来いってばぁ」



独り先を歩いていたミツが振り向きざま満面の笑顔でそう言い。



藤「なに先陣きったようなことを言っているんだよ」



言葉ではブツブツと言いながらも嬉しそうに傍へ寄って行く太輔。



北「ほっとくと2人でずーっと喋ってるだろ」

藤「おまえ妬いているの」

北「まさかぁ、ガハハッ」



相変わらず素直じゃないな

さっき、言いかけた言葉。「ミツにちゃんと気持ちを伝えたら」

このまま、何も言わないでいいの?太輔。

俺達は、もうすぐ。

そのときは着実に近づいて来ていたんだ。

既にもう宮田が…

ゼロムに上手く誘導されていた事を知ったのは、その翌日のことだった

あの執事の口から―




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