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・宮田side

そのころ俺は、屋敷にある自分の部屋の浴槽につかりながら。



宮「はぁーあ、やっぱり千ちゃんがいないとつまらないや」



呑気にそんなことを呟いていた、自分に続き横尾さんが消えてしまっていただなんて知らずに。



執事「湯加減は如何です」

宮「最高だよ」

執事「それはようございました」

宮「これでご馳走があったら、もーっといいんだけどな」

執事「もちろんございますとも」

宮「えっ」

執事「最後の晩餐が ﾆﾔｯ」

宮「あ…‥」



そうだった俺これから生け贄になるんだっけか？あまりにも緊迫感がないせいで忘れていたわ、ﾊﾊｯ



宮「ねぇ、それって痛い」

執事「いいえ」

宮「辛くて苦しい」

執事「ご心配なさらなくとも眠るように逝けます」



そう、なら良かった痛いのも辛くて苦しいのも嫌だし

だったら明るくしていよっと最後の最期までずっとね、悔いがないよう。



「バカじゃね」



そう俺ってバカなのって、ええっ!?今なんか声が聞こえた気が空耳？



「なわけないし、ｸｽｯ」



なに、どうしてここにいるの？



「おまえ１人に背負い込ませるわけにはいかないからさ」



だってそれじゃ黙って俺が来た意味ないじゃん。



「だいいち、そんな事をされたってちっとも嬉しくないし」



後ろを振り返ったら、そこには見慣れた姿があり「なんで分かったわけ？」そう聞くと。



「お前と違い勘がいいから俺は、ﾌｯ」



わわっ、マジで意味不明だ

でも結局は、独りでは何もできないんだよな。

ボソッと呟くと。



「そうじゃなくて、お前はメンバーみんなに愛されているんだよ」



へっ？



「だから、独りで逝かせるわけにはいかないんだ」



ううっ、ﾋｸｯ…うっ



「バカ泣くなって、もう」



だっ…て‥だってさ…ｸﾞｽﾝ‥嬉しくて…俺‥



「一緒にいるから、らしくない事するんじゃない分かった？」



うん うん…ﾋｯｸ‥ごめんね



「別に謝ることじゃないとは思うけど、それに」



なに？



「俺の予想が正しければ、たぶんきっと」



それは、このあと的中する事となる。

仲間っていいな…

千ちゃん俺ね、本当にうちの事務所に入って良かってそう思うんだ。

月夜の空を見上げ―