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幻想世界☆

第4章 執事の企み①

・横尾side

漂う香りは血の匂い。



玉「もう勘弁して、なんでこんな所で切るわけ」



裕太の指から流れる赤い色



玉「どうしたの」

横「あ、いや」



心臓が、疾風の如く高鳴る“何なんだ?この感情は”

身体の奥より沸き上がる、衝動を堪えきれずに俺は。



玉「ちょ、なに!?」



気がつけばその指に、しゃぶりついていたんだ。

美味い、美味いじゃんって待て何を思っているんだよ

慌てて我に返ったものの。



執事「あなた方はヴァンパイアなのです」



本当にそうなのか?

思い出す、あの執事が言った言葉。

あげく―



玉「えっ?嘘どうして傷が」



“治っている何故?”

跡形もなく消え去っていてわけ分からないでいる俺の耳に。



執事「それは、治癒能力というものです」



聞こえて来た、あいつの声



執事「ヴァンパイアにある能力の一種とでも言いましょうか」



能力?



執事「獣人が、今のように怪我をした時は傷口を舐めてあげるといいです瞬く間に治るでしょうから」



そんな力が…



執事「ところで如何でした初めての血のお味は」



煩い、クッ



執事「美味しかったでしょ一度味わったらまた欲しくなるほどに」



黙れ…





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