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幻想世界☆

第6章 執事の企み②

目の前にはDVD―

見るなと言われたら見たくなるもの。

ちょっとだけ、悪魔が囁く

まるで誘惑をされているかの如くに。

そぉーっと手を伸ばした、そのとき。



「よした方がいいよ」



えっ、誰?とつぜん声がし振り返ると。



玉「塚ちゃん!?」

塚「ここの執事は信用できないから」



じゃなくてなんでここに?あっ耳…



塚「俺はモルモット、玉森はマルチーズ?可愛い」

玉「ふっ、ありがと」

塚「この屋敷のことなら、なんでも聞いて」

玉「えっ」

塚「俺、先輩だし ニコッ」

玉「あ…うん、ハハッ」



笑顔で、そう言う塚ちゃん



塚「そうだ、いい事を教えてあげる」

玉「なに?」

塚「北山が、幻想館にいるよ」

玉「ミツが!?」

塚「うん、会って来た」

玉「じゃ」



売られちゃうってこと?



玉「大変だ助けなくちゃ」

塚「二階堂もいる」

玉「ええっ、ニカも!?」



どうしよ…



塚「けど俺たち獣人じゃ、どうする事もできない」



つまりはガヤや宮田、わたなら連れ出すことが出来るってわけ。

このことを3人は、知っているのだろうか。



塚「教えてあげれば但し」

玉「なに?」

塚「その前に玉森も、獣人と飼い主の関係がどんなものなのかを知る必要があるけどね」

玉「えっ?」

塚「でなければ傷つけちゃうかもしれないしさ」

玉「ミツとニカを?」

塚「自分も、フッ」



何が言いたいわけ?

塚ちゃんはいつも神出鬼没に俺達の前へ現れたんだ。

けれどそれには理由があったことを後になって知る事となる。

全ては1年前のあの日から始まっていた。

過去と未来の歪みの中で―




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