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幻想世界☆

第9章 寄り添う心①

・藤ヶ谷side

夜、眠りにつけばまた。



藤「俺はわたを信じてる」

玉「ガヤ」

藤「タマは?」

玉「‥‥‥」



同じ部屋で寝てもこの世界へ来たら。

ほらな、フッ

あぁは言ったものの、やっぱりタマのことが心配で。

廊下に出て、渉の部屋へと向かったんだ。

すると…



執事「おや今日も、お独りですか?クスッ」

藤「チラッ、ふん」



好きに言っていろ。



執事「横尾さまの部屋には入れませんよ」

藤「はっ?何を言ってる」

執事「今が一番、大事な時なんですから邪魔しないで下さい」



ふざけた事を言いやがって

だが確かに、ドアには鍵が掛かっていて開かず。

くっそ!

仕方なく今度は宮田の部屋へ行こうと歩き始める。

と、そのとき。



「なぁーミツ広すぎてどこが何処だか分からないよ」



この声はニカ!?えっ、どうしているんだよ。



ニ「ねぇ、聞いてる?」



北山もいるのか?でもこのふたり、幻想館にいたはずじゃ。

そぉーっと、声のする方を覗いてみると。

ガサゴソゴソ、ガサッ!

何やら、漁っているような音が聞こえ。

見えたのは黒い猫の尻尾がついたお尻。

それがフリフリフリと揺れるたび、ガサゴソ、ゴソッ!

なにやってるんだ?あいつ



北「うわ、なんだこりゃ」

ニ「ふぎゃ、イキなり立つなってば」



と、ピョコンと見えた犬のような耳が生えている頭。

北山?なんだニかが被ってて見えなかっただけか、クスッ



北「見てみろよ、これ」

ニ「缶詰?」

北「いや、でかすぎだろ」

ニ「食いもんじゃねんだ、あぁ腹が減ったなぁ」



なる程、お腹が空いていたってわけ。

なら…



藤「そんなところを探しても何もないよ」



声を掛けたとたんギクッと背中が反応しこっちに振り返ると。



ニ「にゃあガヤだぁー」



ダダダダダッ、ぎゅーっと抱きついて来るニカ。



藤「うわっ」

ニ「ガヤ、ガヤあぁ」

藤「はいはい、クスッ」



スリスリと、なつく二階堂を冷ややかな眼で見つめている北山。




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