
Welcome Bar
第2章 第一章 日常的に。
「ふう。じゃ、そろそろ開店するか」
店長がバーの扉に掛かっている札をくるりと裏返し、開店にした。
お客さんはすぐにやってきた。
一人や二人なら翔さんと僕だけでも対応できるが、今日等の休日の場合は人が多く、店員フル活動で働かなければならない。
コーヒーを作りながら店長は琉輝さんの悪態を付き、もう一人の先輩、蒼葉さんを呼ぶ呼ばないを翔さんと話していた。
琉輝さん、帰ったら怒られるんだろうなと考えながらも、僕は常連のお客さんと話をした。
「なあ、聞いてよ月ちゃん」
「はい、どうしました?」
店員側の椅子に座り、お客さんの目を見る。
確か、この人は白崎さんだったかな。
「俺さぁ、好きな人ができちゃって」
「えぇっ、本当ですかっ?」
