
Welcome Bar
第2章 第一章 日常的に。
「やぁ、月ちゃん。こんばんはー」
そう言って声を掛けて来たのは、同じくバーの常連客、薪さんだ。
「あぁ、こんばんは! いつもので宜しいですか?」
薪さんが頷いたので、僕は僕はカフェオレを作り始めた。
「ちょっと相談があるんだけど、いいかな?」
薪さんが相談? 一体何だろう。
カフェオレを作りながら、大丈夫ですよ、と言う。
薪さんは笑って話し始めた。
「フェラのコツなんだけど」
「ええぇっ!?」
思わず、機械を落としてしまいそうになり、慌てて手で抑える。
目の前の薪さんはとてもおかしそうに笑っていた。
「冗談だって、冗談。いやぁ、そこまで驚かなくたっていいじゃんかっ……」
「お、驚かせないでくださいよぉっ」
そう言いながら引き続きカフェオレを作り出す。
薪さんは暫く笑っていたが、カフェオレを僕から受け取ると、また話し出した。
「じゃあ、次は本当に真面目な相談。今さ、俺ん家に居候してる高校三年生の兄弟がいるんだけどさ、ここで働かせられないかな?」
これはこれでまた驚いてしまった。
新入社員か。店長は喜ぶと思うけど、ここで僕が決める訳にはいかない。
僕は少しわくわくしながら、薪さんの方を向いた。
「そこらへんは店長に聞いてみなきゃ分からないんですけど、伝えておきますね!」
「そっか。ありがとー、月ちゃん」
それから暫く、薪さんと楽しい話をして時間を過ごした。
