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10分屋【ARS・N】

第9章 コーヒーチケット

俺はアキコさんにキスをした。

何度も何度もキスをした。

アキコさんがしがみついてきたので、俺もアキコさんにしがみついた。

アキコさんの顔は、涙でぐちょぐちょだった。

メイクが崩れて、ひどい顔だった。

俺は、アキコさんの頭をなでた。

小さい子の頭をなでるように、アキコさんの頭をなでた。

アキコさんは、俺の肩に顔をうずめた。

俺は腰を速めた。

ふたりの身体はじっとりと汗ばんだ。

アキコさんは何も言わない。

だから、俺も何も言わない。

アキコさんの身体がビクビクッと震えたかと思うと、俺の名前を小さく叫んだ。

俺も、アキコさんの名前を呼んで放出した。

その時、10分を知らせるアラームが鳴った。

俺はゴムの始末をして、アキコさんを抱き寄せた。

二「コーヒー、飲む?」

ア「延長はしないんじゃないの…?」

二「だから、コーヒーチケットの11回分。」

ア「だから、嵐が来るって…。」

アキコさんは、身支度を始めた。

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