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10分屋【ARS・N】

第2章 ババ抜き

それからも、モエモエは次々とジョーカーの隣のカードを引いていった。

途中で、手札をシャッフルしてみたりしたけど、関係なしにモエモエはジョーカーの隣のカードだけを引いていった。

「やったーモエモエの勝ちだお!」

ババ抜きはあっという間に終わった。

そりゃそうだろ、二人なんだから。

モエモエは、ピョンピョンと飛び上がって喜んだ。

いや、悔しくはない。

悔しくはないけど、何だろうこの疲労感と敗北感。

何であんなにジョーカー避けて、隣のカードばかり取れるんだ…?

「モエモエって、何者…?」

「モエモエは魔法少女だお、てへ!」

わかった、こいつはきっと手品マニアで、手品が得意な俺をからかいに来たんだな…。

でも待てよ、この手品をVSの最弱王決定戦でやったら受けるんじゃね?

よこしまな気持ちがムクムクと立ち上ってきた。

「モエモエって、ババ抜き得意なんだね…」

俺はモエモエの隣に移動した。

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