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10分屋【ARS・N】

第11章 先に生まれただけの僕たち

保健室でハーブティーを飲んでたら、仕事に行く時間が迫って来た。

二宮「ごちそうさま。俺、そろそろ行かなくちゃ。」

綾野「あら、カズくんは忙しいのね。またいつでもいらっしゃいね。」

二宮「ありがと…。」

綾野「そうだ、カズくん。私、京明館のホームページにブログ書いてるの。よかったら見てね。」

二宮「あ、うん。」

俺が席を立つと、鳴海校長も一緒に立ち上がった。

保健室を出て廊下を歩いていると、さっき補講をしていた教室から、年配の女性教師が出てきた。

杉山「あら、二宮君じゃない。」

二宮「あ、杉山先生。」

それは、古典の杉山先生だった。

杉山先生は、当時から気難しくてちょっと嫌味で、苦手だった。

杉山「元気そうね。仕事は忙しいの?」

二宮「いや、まあまあっスよ。」

杉山「あなた、学生時代はいつも私の授業は寝てばかりだったのに、ドラマで先生役してたのには笑っちゃったわよ。」

二宮「いや、まいったな…。」

杉山「とにかく体には気をつけてね。しっかりやりなさいよ。」

俺は苦笑いをして、杉山先生と別れた。

鳴海「杉山先生、二宮さんのドラマ欠かさず見てるんですよ。」

二宮「え、そうなの?」

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