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10分屋【ARS・N】

第3章 卒業

「すげぇ、ゴリちゃん!この前の世界大会見たよ!膝傷めてんのに優勝してすごかったじゃん!俺、感動しちゃったよ!」

世界大会ならびにオリンピックの金メダリストの登場に俺は興奮した。

「金メダリスト取ったらいくらもらえんのさ?それに今度、国民栄誉賞もらうんだって?すげぇな!」

大きな体にショートカットのその女は、そのゴリラのような見た目から『ゴリちゃん選手』と呼ばれていた。

決して美人とは言えない顔だが、礼儀正しさと温かな人柄で国民の人気者だ。

「アザッス!」

ゴリちゃんはまたしても立ち上がると、頭を直角まで下げてお辞儀した。

「堅苦しいのはいいからさ。で、依頼は何なのさ。」

俺はゴリちゃんを座らせた。

「あの…、しょ、処女を卒業したいっス!」

「……、はぁっ!?」

思わず声を上げた。

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