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10分屋【ARS・N】

第6章 夫婦

「くっ…!」

ウエダは面白くない様子で床を蹴った。

「オッサン、今度は一人で来いよ。ジョッキ一杯飲ませてやんよ。」

俺はボクサーパンツに脚を通した。

「うっ…!」

ウエダは言葉を詰まらせた。

「嫁をダシに使わないと自分の性癖も満足させられねぇのかよ。最低だな。」

すべてバレたと悟ったウエダは、あわただしくしなびた自身をしまい、ズボンのチャックを上げた。

「痛っ!」

あわてすぎて、モノをチャックではさんでしまったらしい。

本当に馬鹿で最低だな。

ベルトを閉めながらベッドルームを逃げるように後にするウエダの背中に叫んだ。

「男相手は、倍額ちょうだいするぜ!」

ウエダは洗面所からサエコを連れ出すと、一目散に玄関を出ていった。

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