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10分屋【ARS・N】

第7章 世界一難しい恋をする

二「あんたなら、女なんて腐るほど寄ってくるでしょうよ。」

鮫「確かに言い寄る女は数知れずいた。しかし、一度食事でもしたら最後、二度と俺には近寄って来ない。」

はぁ、極度の変わり者って訳か。

二「そういう用件なら、女に教えてもらいなよ。プロの女が嫌なら、口の固い素人の女紹介しますよ。」

鮫「女は駄目だ。」

鮫島はかたくなに拒んだ。

二「何でさ。実地訓練できた方がいいでしょうよ。」

鮫「その…、初めての相手は好きな女と決めている。」

絶句した。

初めては好きな人と、なんてどこの乙女だよ。

30歳半ばのオッサンが言うことかよ。

鮫「相手は部下だが、来週二人で泊まりの出張に行く。その時に告白しようと思っている。」

二「まだ告白もしてないのに、セックスの心配してんですか? 馬鹿じゃない?」

鮫島が膝の上で拳をぐっと握った。

鮫「初恋なんだ…。女と付き合ったこともないから、ペース配分とかわからない…。」

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