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10分屋【ARS・N】

第7章 世界一難しい恋をする

俺は鮫島を応接室の奥のベッドルームに通した。

二「告白とかは自分で頑張ってくださいよ。俺が教えるのは、『そういう雰囲気』になってからのことだから。」

鮫「はいっ、師匠!」

鮫島は、鼻息荒く前のめりに返事をした。

二「それと、師匠ってのやめてくださいよ。鮫島さんの好きな女は何て名前?」

鮫「ミサキ…。」

ふうん、名前呼ぶだけで、恥ずかしそうに赤くなっちゃって。

本当に告白できんのかな。

二「じゃあ、俺のこと彼女だと思って呼んでくださいよ。予行練習ですよ。」

鮫「はい…、ミサキ…?」

鮫島は耳まで赤くして、俺に向かって女の名前を呼んだ。

二「いいですね…。社長?」

俺はベッドに腰かけた。
鮫島は俺と少し離れて座った。

二「社長、この時はミサキのすぐ隣に座るんですよ。」

鮫「お、そうか。」

鮫島は奥のすぐ隣まで、ずいずいとずれてきた。

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