テキストサイズ

10分屋【ARS・N】

第7章 世界一難しい恋をする

二「そして、優しく肩を抱いて、抱き寄せる。」

鮫「お、おう…。」

鮫島は、俺の肩をぐいっと抱き寄せた。

二「おいっ、もっと優しく…! まぁいいよ。そしてミサキの髪をなでるんだ。優しくね。」

鮫島は、さわさわと俺の髪をなでた。

二「そう、上手だよ…。次は、キスをするよ。」

鮫「キ、キス!?」

鮫島が、ガバッと飛び退いた。

二「まさか、キスも初めて?」

鮫島は泣きそうな顔をしてうつむいた。

二「しょうがないな…。ほら、俺の頬に手を添えて。」

鮫「こ、こうか…?」

鮫島は、両手で俺の頬を包んだ。

二「そうだよ。そうして、ミサキの顔を上に向かせるんだ。」

鮫島は、鬼のように固い表情で俺の顔を上げさせた。

二「顔が怖いよ。もっと優しい顔しなくちゃ、ミサキが逃げちゃうよ。」

鮫「それは困る…。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ