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[現代版] 天使と悪魔

第9章 心と記憶の和

・玉森side

が、そのとき確かに俺には聞こえたんだ。



宮「精霊…さん‥お…願い‥俺の…代わりにタマを」


この声は俊、クッ

それは互いの想いが見せた幻想・奇跡だったのか。

あいつが見える俺の目の前に。

血だらけになりながら自分の名前を呼んでいる姿が。



玉「俊…俺も‥逝くから…そこ‥で…待ってて」



再び必死に手を伸ばす。



宮「タマ…くっ‥愛してる…タっ‥マ…」



宮田もまた、こっちへ手を差し伸ばし。



宮「ガクッ」



まっ…待って‥俺も…

息絶えたその身体から白い煙りのような物がふわっと浮き出て。

あっ、あれは魂?

それが俺の方へ真っ直ぐに来て身体を優しく包み込んだんだ。

温…かい‥フッ

まるで、あいつに抱かれているような温もりを感じながら俺は静かに目を閉じる

お帰り俊、ニコッ

自然と顔には笑みが零れ、もう決して離れないそう心に誓いながら。

俺たちはずっと一緒だよ、これからもずっとね。

生まれ変わったらまたきっと…巡り‥会…え‥る。

ギュッ!



宮「タマあぁ」

玉「ふっ、ニコッ」



話し終わったとたん泣きながら俺の身体を抱きしめる俊哉。

テレビ局の楽屋で―

ミツが居眠りしていた隙を狙いそのネックレスに触れた。

後悔はしていない。



玉「ありがと、フッ」

宮「えっ」

玉「俺、分かったよイヴの正体」

横「なんだったんだ」

玉「イヴはね最期に宮田が俺を想って溢した涙の結晶だったの」

宮「俺が」

玉「その結晶にお前の願いを聞いた泉の精霊さんが、自分の命を吹き込んで」

横「つまり宮田の裕太への愛がイヴとなりこの世に犬となって転生しタマの傍にいた、そういう事」

玉「ん多分こいつの想いを俺に伝える為」

宮「俺の想い」

屋「宮田が、全部の記憶を取り戻した事で発動したってわけだ」

山「凄い」

五「愛のなせる技ってやつ」

塚「強い想いは力となる」

ニ「あの頃と同じ」

千「こっちでもそれは変わらない」

横「そういうこと、だから俺達はもう決して」



負けはしないさ絶対。

その場にいた全員が頷く中

俺は、まだ記憶を取り戻していないミツとガヤに思いを馳せていた。

これから、どんな事が待ち受けていようとも2人の事は俺たちが支える。

そう心で呟き。





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