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[現代版] 天使と悪魔

第2章 記憶の連鎖①

・横尾side

幸せな日々が続き、誰もがもう悲しい思いなどしなくて済む。

そう思っていたあの頃―

俺達は、そこに落とし穴があるなんて気づきもしないでいたんだ。

いや郁人お前だけは知っていたんだよな?

トッツーが、何を抱え悩んでいたのかを。

その変化して行くさまを。

お前は、どんな思いで見つめていたんだ?

朝、目を覚めすと俺の眼は涙で濡れていて。

転生は転生でも―

まるでゲームの世界のような中で、自分たちが生きていただなんて。

誰が信じると思う?

それからも毎日の如くその夢を見続けてく。

ただ、まさかそのことが。

今の自分たちの身に、降りかかって来ることになろうとは。

この時はまだ思ってもみないでいたんだ。

トルルル―

そんなある日、掛かって来た1本の電話。



横「屋良さん?」

屋「ちょっといいか?話しがある」



待ち合わせ場所へ行くと。



屋「取り合えず、どこかへ入ろう」

横「あ、はい」



そう言って俺を連れ向かった先は。



屋「まっ、入れよ」

横「あのここ…」

屋「俺のマンションだ」

横「えっ?」

屋「その方が、いいんじゃないかと思ってさ」

横「って事はもしかして」

屋「お前も思い出しているんだろ?フッ」

横「屋良さんも」

屋「あぁ」



だから俺を呼び出したってわけか。





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