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[現代版] 天使と悪魔

第12章 勇気と決意

・河合side

あの日、宏光んちへ行ったとき俺は。

自らの意志であいつが持っているネックレスに触れた

そうすれば、全部の記憶を取り戻す事が出来ると教えてくれた奴がいてさ。

まずは自分が…

しいては、それがトッツーを護ることへ繋がると思い

だから俺も全部思い出してるんだ五関。

同じ事は繰り返したくないそう思ってるのはみな同じ

そんなの分かってるんだよ

でもあいつはトッツーは、自分が何者なのか知ったら

きっとまた同じ決断をするに決まってる。

じゃ、どうしろっていうんだ。

俺達はどうやったら、そこから救い出してやることが出来る。

教えてくれ、クッ

俺はバカだから、傍にいてトッツーが奴の言葉に負けないよう支えてやる事しか考えつかなくて。

いつかは記憶を取り戻す。

避けられないなら、せめて少しでも遅らせてやりたいと。

時間稼ぎみたいなものだけどな。

その間に何としても、奴が潜んでいる場所を突き止め

自爆覚悟で対決するつもりでいたんだ。



桐山「ホンマに独りでやる気?」

河「他に手はねんだ、手を出してくる前に俺が」

桐山「こっちから先に攻める、そう言いたいんやろ?せやかてどうやって」

河「俺の勘だとあいつは、まだ完全に復活してるわけじゃないと思う」

桐山「どういう意味」

河「あのとき前世で」



全てを終わらせるためトッツーは自らの命を絶った。

奴を道連れにし…

が、皮肉なもんだ転生したトッツーと一緒に復活してしまったんだから。

実体を持たない妖魔、それが奴の正体。

どうしてそうなってしまったのかは知らない。

目的は宏光の身体、魂でも気でもない身体が欲しいんだ自分を実体化する為に。

って事は今でも誰かの体内に潜んでいるって事になる

それを捜し出すしかない。

俺は照史に全てを話し協力を頼み、皆には内緒にして欲しいと念を押すと。

奴をやっつける方法を探り始めてく。

太輔お前は宏光を必ず守り通せ。

違う道を進んでも、大切な者を護りたいという思いは同じ。

俺達2人がそうする事で、前世の時みたいにあいつらを巻き込まなくて済む。

そうだろ?お前なら出来ると信じているから。

親愛なる友へ―

そう願いを込め、心の中で祈りつつ俺は空を見上げていた。

隣で眠っているトッツーの温もりを感じつつ。





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