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[現代版] 天使と悪魔

第12章 勇気と決意

・藤ヶ谷side

横「そっか、そんなことがあったんだ」



イベントの前日、俺は。

わたに、あのときサウナで起きた出来事を話して聞かせた。



横「ミツの胸元に羽根の形をした青い痣がね」

藤「でも、俺にしか見えてないみたいでさ」

横「確かにみんなで行ったサウナでも俺らは全く気づかなかったから」

藤「なんでだと思う」



すると、わたは。



横「亮太の身体から羽根が出て来たのはあいつが命を落とす寸前まで健永の羽根を肌身離さず持っていたからじゃないかって屋良さんは言ってた」



ってことは?



横「裕太は、宮田の想いが愛犬イヴとなりそれによって記憶が甦っている」

藤「じゃ北山も」

横「もしかしたら寸前までお前の羽根を握りしめていたのかもしれないな」



ひろ、クッ!

上から降ってきた羽根により記憶を取り戻した五関、みやとニカ。



横「塚ちゃんは、その五関の羽根で」



みんな意図的なことだったのかも知れない。



横「そこに前世での誰かの想いと意志があって」



今の世に舞い降りて来たと



横藤「俺たちの記憶を甦らせる為に」



不思議な事とは思いながら

なんだか、温かい気持ちになって来る。

前世から未来へ―

想いが繋がっていることを感じ。



横「次の集まりは、お前も参加しろよ」

藤「あぁーでも」

横「ミツの事なら大丈夫、内がついててくれるし」

藤「あいつは参加しなくてもいいの?」

横「まだ肝心なことを思い出していないらしいから」



肝心なこと?



横「それに情報は屋良さんによって伝わってる」

藤「あっ」

横「俺らのことについてはだいたい把握ができているはずさ」



それって、つまり。



横「太輔」

藤「なに?」

横「お前だけはどうすれば最期の記憶が甦るのか俺にも分からないんだ」

藤「わた」

横「が、取り合えず思い出した連中の事は話しておかなければならないから心して聞け」

藤「分かった」



そして、1時間後―



横「これで全部だ」

藤「くっ」

横「大丈夫?」

藤「わた」

横「んっ?」

藤「俺は、ひろの前で命を落としてしまったんだな」

横「そうらしい」

藤「そっか」

横「遅かれ早かれ全て分かるときが来る、覚悟しとくしかないさ」



だな…





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