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[現代版] 天使と悪魔

第13章 慟哭の記憶④

・千賀side

稲垣「もう大丈夫だ」

千「良かったな薮」

薮「有り難うございます」

稲垣「熱は下がったから、後は栄養のある物を食わせてやれば元気になるよ」

ニ「でも、こんな状態じゃ食べ物なんて」

稲垣「心配するなって」



ダーク族の村の外れで先生をやっている人がいる。

凄く物知りで、家には薬草とかもあり。



千「すっげーこんなにたくさん食べ物が」

薮「あのーここって」

稲垣「ちょっとした遊び心で床下に穴を掘ってみたらこれまた便利でね」

ニ「えっ」

稲垣「深ければ深いほど、温度が低くなるから食料とかの貯蔵庫にもなるしイザという時には逃げ込むことが出来る」

千「もしかして、それで」

稲垣「なんだか外が騒がしいと思ったら、村が得体の知れない奴らに襲われていたもんでさ」

ニ「急いで床下へ逃げ込んだってわけ」

稲垣「まぁーね、フッ」



それと村の外れにあったせいか標的にはならずに済んだ。

そういうこと。



稲垣「ここにいれば安全だ外が落ち着くまで暫くいればいい」



それから数日が経ち、瑞稀はすっかり元気になり。

これなら安心して行ける。

そう思った俺は、横尾さんを捜しに行く決心を固めたんだ。



ニ「薮と瑞稀はどうする」

千「ここにいれば安心だって吾郎さんが言ってた」

ニ「置いてくってこと?」

千「その方がいいでしょ」

ニ「だね、フッ」



稲垣先生へ

どうしても、捜さなければならない人がいます戻って来るまで瑞稀と薮のこと、宜しくお願いします。

俺達はそう置き手紙を残すと朝方そっと村を抜け出して。



ニ「取り合えず森周辺の穴という穴、片っ端から捜してみようぜ」

千「うん」



あてなどなかったから。

手掛かりを求め、そこへと向かったんだ。





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