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[現代版] 天使と悪魔

第13章 慟哭の記憶④

・塚田side

藤「くっ」



ただ独り―

自分の最期を思い出せないでいる藤ヶ谷にとっては。

辛い空間だったんだろうけどさ。

歯を食いしばり何も言わず俯いているだけだった。

そして…



屋「さて続けようか」

横「はい」

屋「さかのぼるが塚ちゃんお前が死に至るまでの経過は宮田の話しで大体のことは分かっている、だが」

塚「直前で、俺が見た敵の顔を知りたいんですよね」

横「そうだ」

宮「誰だったの塚ちゃん」



とうとうそれを言わなければならないときが来た事を

みんなの視線で、ヒシヒシと感じ。

思わず俺は言葉を詰まらせてしまう。

そんな姿を心配そうに隣で見つめている五関。

大丈夫、大丈夫だから

言わなければ、前には進めないんだ。

そんなこと十分すぎるほど分かっている。



玉「もしかして言いずらい名前だったりして」



だから―



宮「塚ちゃん」

塚「トッツーだよ」

宮「えっ」

玉「嘘!?」

藤「どういうことだ」

ニ「トッツーって」

千「それってまさか」

塚「勘違いしないであいつが俺をやったんじゃない」



そう、違うんだ河合。



屋「そこんところ、詳しく話して貰おうか」

山「大事なことだし」

五「塚ちゃん」

塚「分かった、けどこれだけは言っておく」

横「なに?」

塚「トッツーは何も悪くはない、あいつは自分の意志でやったわけじゃないんだ絶対に、頼む信じてやってくれ」



その言葉に静かに頷く仲間たちを見て俺は語り始めた

あの衝撃の光景を…

加えてそれが今のトッツーや河合を苦しめている原因なんだろうということも。

だから2人を助けてやって欲しい、みんな頼むよ。

そう訴える気持ちと共に。





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