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[現代版] 天使と悪魔

第14章 慟哭の記憶⑤

・横尾side

河「もっ、普通じゃねんだ」

横「‥‥っ」

河「こいつの中には」

戸「うっわあぁーっ」

河「やめろやめるんだトッツーっ」

戸「ハッ…河合‥」



俺はこのときのトッツーの顔が今でも忘れられない。



戸「横…尾‥ぁ…俺‥が…やったのか!?」



トッツーおまえ正気に。



河「あ…のな‥トッ」

戸「俺が…俺‥ごめん許してごめん横尾」

横「…くっ‥泣くな…お前は悪くない‥ハァハァ」

戸「横尾…横尾おぉ」

横「ふっ…郁人‥こいつ…向こうへ‥連れて行け」

河「んでも」

横「だい…じょぶだ‥俺は…死んだり‥なんかしね」

河「本当だな生きててくれよ、クッ」

横「あぁ…じゃなきゃトッツーがだろ‥フッ」

河「悪い本当に渉」



去っていく2人の姿を見ながら、自分のふがいなさが情けなくなってしまう。

いつから、あんなふうに。

俺を見つめたトッツーの視線は悲しみと罪悪感に満ち

今にも壊れてしまいそうで

そのはかなくも虚ろな瞳に心が締めつけられ堪らなくなった。

気づいてやれなくて、すまない。

それから近くに落ちていた木の枝を掴むとそれを杖代わりにし。



横「…くっ‥ここで…死ぬわけには‥いかねんだ」



絶対!



横「俺は…必ず‥宏太たちの…所へ戻る」



トッツーをこれ以上、追い込むわけにはいかないと。

ヨタつきながら歩き続け。

だが怪我をしているせいか方向感覚がなかったらしく

バシャン!

滝のほうへ向かってしまいそこで倒れてしまってさ。

ぼわっ―

なんなんだ、あれは?



「貴方を、ここで死なせるわけにはいきません」



誰だ?何者…女!?

意識を失う前に見た幻は、いったい何だったのか今でも分からない。

気がついたときには…



五「横尾、良かった流星、大倉」



ダダッ!



藤井「横尾くん」

横「何処だ?ここ」

大倉「ハッシーが作った、秘密基地や」

横「えっ」



夢かと思った。

そこには俺たち部落の殆どの子達がいたんだから。

瑞稀と郁祥を除く。





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