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[現代版] 天使と悪魔

第16章 迷走する想い

・藤ヶ谷side

藤「待つよ」

北「藤…ヶ谷」

藤「悩ませてしまうかもしれない、けど待ってる北山が俺を見てくれるのを」

北「見てるって、いつも」

藤「だな、フッ」

北「その…ちゃんと‥考えてるし」

藤「そっか ニコッ」



ありがと。

それだけ聞ければ十分だ、俺は待てる。

お前が記憶を取り戻すまで

ただ、手は出してしまうと思うけどさ クスッ!



宮「遅くなってゴメン」



と、そこへ頃合いを見計らったかのようにみやが戻って来て。

俺は慌ててその身体を離す



北「大でもしてたん?」

宮「違うって」

北「んだか、でも藤ヶ谷はそう言ってたぜ」

宮「えぇーっ」



こいつ、もしかしてわざと



藤「よーし、俺もゲームに混ぜろ」

北「ちょ待った始めっからやり直し?」

藤「いいじゃん別に」

北「めんどくせぇー」

藤「愛だぜ愛、俺達シンメなんだからさ。それくらい融通きかせろって、ニッ」

北「ふっ、調子いいやつ」

宮「…良かった」

藤「んっ、何か言った?」

宮「別に ヘヘッ」



やっぱり、フッ!



北「んなんだか今日は別にデーみたいだわ」

藤「なんだそりゃ?」

北「別に別にぃって、3人して言ってよ」

藤「別にぃ クスッ」

北「はっ?」

宮「あははっ」

藤「ぷっ」

北「クククッ」



Thank you みや。



北「ゲーム始めるぞ」

藤「負けたりなんかしないから覚悟しとけ」

宮「俺だって」



お陰で少し、気持ちが楽になった気がする。

たぶん北山も、フッ!

こいつの気遣いによりちょっとだけ。

互いの気持ちを話せた俺達は…

さっきまであったギコチなさも消え。

この日、久々に笑い合う。

それは北山が演舞場の稽古に入る少し前のこと。

まだ、これから自分たちの身の上に何が起ころうとしているのか。

予想すらできていない時のことだった。





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