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[現代版] 天使と悪魔

第16章 迷走する想い

・横尾side

俺は この日、あるJr.と会っていた。



「で、ダークの村があった所へ行ってみたら」



あの集まりの日―

安井が気になることを言っていたんだ。



安井「薮くんや江田ちゃんに会ってます?」



いや、そう答えると。



安井「いちど江田ちゃんにだけでも会って貰えませんか」

横「どうして」

安井「話し、聞いてあけて欲しいんです」



“江田剛”亮太と同じThey武道の1人。

前世で2人の子をもうけた亮太の伴侶。

あの動乱のさなか生き残り

俺達がいなくなってから、どうやって暮らしていたのか。



江田「驚きました、まさか薮くんと瑞稀がそこにいるとは思わなかったんで」



が、会ってみたらしっかり記憶を取り戻していてさ。



横「そっか、ちゃんと無事に再会できていたんだな」



どこに隠れていたのか西の連中とも合流し。



江田「皆して協力し部落を作り直したんです」



再建するの大変だったろ?



江田「いいえ楽しかったですよ」

横「んっ?」

江田「いろんな人達が集まってくれたから皆で、わいわいガヤガヤそりゃあもう賑やかで、んふふっ」

横「たとえば」

江田「手越くんと増田くん北斗に高地」



高地?高地優吾か。



江田「あと、永瀬・平野・高橋海人」

横「それから」

江田「如恵留、美勇人みーんないたんです ニコッ」



こりゃ驚いた、クスッ



江田「だけど」

横「んどうした?」

江田「あっ、なんでもない…です」



無理するんじゃない。

俺に、明るい話しばかりをする江田ちゃん。

が、そうじゃない事の方が多かったはず違うか?



江田「横尾…くん‥クッ」



しかし、そういったことは一切流して話す姿がなんだか痛々しかった。



横「なんだ?なんでも言えここだけの話しにしておいてやるから」



本当は辛かった、そうだろ



江田「寂し…かっ‥た」

横「江田」

江田「みんながいなくなって亮太も屋良にぃと逝ってしまい、クッ」

横「ごめんな辛い思いさせて」

江田「うっ、わあぁーっ」



泣き出したその身体を抱き止めながら思う。



江田「ヒクッ、グスッ」



今は思いっきり涙を流せばいい。

あのとき泣きたくても泣けなかったぶん全部吐き出してしまえ。





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