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[現代版] 天使と悪魔

第3章 慟哭の記憶①

・宮田side

北「大事にするホントありがと ニコッ」

藤「肌身離さず持ってろよ絶対」

横「んっ?どうした宮田」

宮「‥‥‥」



その瞬間、グイッと!



北「おっ、おい」

藤「何やってる離せ、北山が窒息しちゃうだろ」

横「‥‥っ」



無意識にネックレスを掴み



北「マジで苦しい」

藤「ちょ誰かこいつを引き離せ」

玉「宮田、ミツを放しな」

ニ「ミツ!」

内屋「‥‥っ」

千「ダメだ、すげぇ力」

山「どうなってるのこれ」

玉「いい加減にしないと、怒るよ!」



えっ、タマ!?

ハッと我に返ったとたん、頭が割れるように痛くなり



宮「うっわあぁ」

横「どうした」



俺の中で否応なしに甦ってくる記憶がグルグルと回り始める。



玉「うそ、嘘だろ?そんなわけない…宮田が‥俊が…俺を独りにするわけ‥ないもん」



これは、俺の最期を知ったタマの姿!?



玉「嘘だあぁーっ」

内「玉森、しっかりしろ!お前は母親なんやから」

玉「帰って来るって、必ず戻るって約束したじゃん」

内「クッ」

玉「うわあぁーっ」



そうだったね、ごめんタマ

でも最初っから分かっていたんだ俺じゃ勝ち目がないって。

けどハッシーと幼子がいるのに皆を逃がす為。

敵わぬ相手に、独りで立ち向かってく塚ちゃんを放ってはおけず。

だってあのときハッシーは

分かっていて、塚ちゃんのこと笑顔で見送っていたんだよ。

その姿を見て追いかけずにはいられなかったんだ。

独りで死ぬなんて寂しすぎるし。

だから、俺が一緒に逝ってあげようって。

誰よりも力が無く、戦力にならない自分が。

仲間に出来るそれが唯一の事だと思ったから。

しいてはタマと自分の子を護ることにも繋がる。

でも知ったら止めたでしょ

それは最初で最後の愛する人へついた最大の嘘だった

自分の命を懸け―



玉「俊…俺も‥逝くから…そこ‥で…待ってて」



だから、俺はタマの最期を知らない。



玉「そして…生まれ‥変わっ…たら‥また俺の…こと愛してよ」



みんなの事も。

思い出してしまった記憶が今の自分を苦しめる。

その想いが強くなればなるほど。

そこに何の意味があるのかを俺達は探るしかなかったんだ。

その慟哭の中で―





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