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[現代版] 天使と悪魔

第3章 慟哭の記憶①

・玉森side

宮田のつく嘘は、優しくて思いやりのある嘘。

そんなの分かってるよ俺だって。

こいつは、いつも人のことばかりを考え心配してさ。

でもね…

だからって我慢したり独りで抱え込み耐えていたりして欲しくないんだ。

俺達シンメでしょ、一緒に歩いて行こうよ。

苦しみも、悲しみも試練は2人で乗り越えればいい。

ごめんね宮田…

前世の記憶を取り戻した時すぐにはその現実を。

受け入れる事が出来なくて辛く当たってしまい。

でも、全てが分かった瞬間に俺は決心したんだ。

もう二度と、お前を独りで危険な目に遭わせたりはしないと。

俺達はどんなときでも一緒そうだろ?

青く澄み切った空を2人で飛んだあの頃を忘れない。

だから取り戻そう、みんなで明日の太陽を。

そうすればまた笑って過ごせる日が必ずやって来る。

そう信じて―

あの世界での自分と、なかなか向き合うことが出来なかった俺が。

そこでの最期を知ったのはもう少し先の話し。

けれど甦った過去の記憶がもたらしたものは。

大切な人を失ってしまったという苦悩に満ちた悲しみだったんだ。

しかし、それでも俺たちは立ち止まるわけにはいかないと。

気持ちを奮い立たせ勇気を出し前へと突き進んでく。

今度こそ、愛する人と仲間たちを失わない為に。





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