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[現代版] 天使と悪魔

第3章 慟哭の記憶①

・横尾side

俺はタクシーを拾い宮田の家へと向かう道すがら凄く後悔していた。

どうしてもっと早く気づいてやれなかったのかと。

それから暫くし、こいつは目を覚まして。



横「で、何を見たってわけ」

宮「‥‥‥」

横「話してごらん、独りで抱えるのは辛いだろ?俺が一緒に背負ってやるから」

宮「よっ、横尾さん、うっわあぁーっ」



―が、そう言うと突然泣き出してしまい。

やっぱりな…

おまえ自分の最期を見てしまったってわけだ。

じゃなければ、あんなふうになったりはしない。

だから屋良さんも、それに気づき俺に送るよう言ったんだろうし。



横「いつから、思い出したのは?」



その身体を包み込み、問いかけると。



宮「こっ…この間‥ドリボ…ヒクッ‥の…帰り‥羽根…が落ちて来て‥ヒックン」

横「俺と同じような時か」

宮「でっ…でも‥子供が…生まれ…皆‥して…楽しく暮ら‥してる…とこまで‥しか思い…出して‥なかったから」

横「俺は最初っから自分の最期を見てしまったけどな」

宮「えっ」



しかしどういうことだ宮田と俺、どこが違う?



宮「横尾…さん」

横「俺のことは心配しなくてもいい、それよりなんでイキなりあんなふうになってしまったんだ?」



そこが肝心なんだから分かり易く説明しな。

すると宮田は―



宮「なんか、呼ばれたような気がして」

横「んっ?なんに」



ポツリポツリ、その状況を話し始めてく。

気がつけば引き寄せられるみたいに、ミツの傍へ行っていたと。

そして…



宮「ネックレスに、触れたとたん、クッ」



目の前に広がった光景が、あまりにも衝撃すぎて。



横「自然と掴んでいた手に力が入ってしまったんじゃないか、そう言うの?」

宮「たぶん他には考えられないし」



ネックレス俺と太輔がミツにあげた。

と、その時あの店主が言っていた言葉が脳裏に甦った





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