テキストサイズ

[現代版] 天使と悪魔

第20章 未知の空間

・藤ヶ谷side

藤「前から聞いてみたかったんだけどさ」

内「んっ?なんや」

藤「おまえ自分の最期が、どんなんだったのかとっくのとうに知ってたんじゃないの?」



だから、ちょうどいい機会だと思い聞いてみたんだ。



内「いや、そんな事はあらへんで少なくともついさっきまではな」

藤「えっ」



その口からは予想外の言葉が返って来る。



藤「けど、ひろが言っていた俺が護ったるそう言って内が泣いてたって」

内「ホンマか?あちゃあー見られてもうたん」

藤「じゃあれは、なんで」

内「正確に言うと、最期を思い出したんは北山が覚醒した瞬間なんや」

藤「なっ」

内「それまでは、まぁ経過は屋良さんと同じなんやけど徐々に少しずつ、んで」



俺が死んだあとひろがボロボロになって。

隠れ部落へ来たとこらへんまで。



内「あの姿は今、思い出しても胸が締めつけられてまう、クッ」



内…



内「それからはもう、日々弱っていく北山を見ていて堪らんかった寝ているときなんか譫言みたいにお前の名前を呼ぶんやで、クッ」



そっか、だから。



内「俺じゃ代わりにならへんねん、そやから」



もっ、分かった分かったから内。



内「二度とあんな思いさせたくはないんや」



お前の気持ち、クッ!



内「その為やったらなんでもしたる、そう決め」



俺も同じだし。

2人が見つめる先にはスヤスヤと寝息を立てている、ひろの姿があった。

俺達は改めて誓い合う絶対に護り通してみせると。

想う気持ちは形が違っても同じ。

愛しているんだ俺も内も。

しかし、このとき既に魔の手が忍び寄って来ていた事を。

俺たちは、まだ知らないでいた。

その手口は巧妙で。

やり方はトッツーのときと似た方法であった事が分かったのは。

あの2人から、そのときの話しを聞いたときだったんだ。

妖魔とは―

夢を利用し妖かしを見せ、弱った心に付け込み。

自分の思う通りに誘導する魔物。

ひろの様子がおかしい。

そう感じたのは、こいつが目を覚ました後からだった

まるで、何かに怯えているかの如く。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ